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歴史と伝統の町「足利市」について
栃木県の南西部に位置する足利市は、古くから織物業で栄えた両毛地区の一画で、その歴史は奈良時代まで遡るといわれます。
戦後はトリコット生産が盛んで、昭和30年代には日本一の産地にまで成長し、かつては宇都宮市に次ぐ規模を誇るも、現在は県内4番目の人口規模の都市となっています。
「両毛地区(りょうもうちく)」とは
栃木県の足利市・佐野市、群馬県の桐生市・太田市・館林市といった上毛野と下毛野の両方に跨がる一帯をさします。古くから文化・経済の結びつきが強く交流が盛んな地区で、かつては織物業で栄え、現在は自動車産業が集積しており、県を跨いだ一つの経済圏を形成しています。
また、近年ではTVドラマ「今日から俺は!!」の撮影や様々な映画などのロケ地としても数多く登場しています。
北部に「足尾山地」、南部には「関東平野」が広がり、中央部を森高千里さんの歌詞に登場する「渡良瀬川」が流れており、レトロな町並みなど、各所で「絵になる風景」を楽しめます。
足利散策に便利な観光案内所
足利散策の拠点となる観光案内所をご紹介します。東武伊勢崎線・JR両毛線・自家用車などご利用の交通手段に応じて最適な施設をお選びください。
足利観光交流館「あし・ナビ」|東武足利駅構内
東武伊勢崎線 足利市駅の構内にある観光交流施設。足利市の観光案内・名産品販売やレンタサイクルの貸し出しなどを行なっています。
店内では、地元の名産や特産品が並び、奥にある休憩スペースではコーヒーやジェラートなどのカフェメニューを楽しめ、東武線を利用する方に最適な観光拠点です。
【施設概要】
●施設名:足利観光交流館「あし・ナビ」
●所在地:栃木県足利市南町4256-9
●電車でのアクセス:JR足利駅南口より徒歩約13分、東武足利市駅よりすぐ
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約15分
●駐車場:駅北側コインパーキング利用可(40分無料)
●URL:https://www.ashikaga-kankou.jp/spot/ashinavi
太平記館|JR足利駅より徒歩5分
足利観光の情報発信基地として、土産品の販売・近隣観光情報・休憩スペースなどを提供しています。
足利学校や鑁阿寺へも近く駐車場も無料なため、クルマ利用の方にお勧めの観光拠点となっています。
館内には、足利の土産品を取り揃えた物販スペースのほか、インフォメーションカウンターやカフェスペース・レンタサイクルなどがあります。また、JR足利駅には土産品などの販売施設がないため、こちらの「太平記館」を上手く利用しましょう!
【施設概要】
●施設名:太平記館
●所在地:栃木県足利市伊勢町3-6-4
●電車でのアクセス:JR足利駅北口より徒歩約6分、東武足利市駅北口より徒歩約15分
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約15分
●駐車場:普通車 40台、大型車 10台(無料)
●URL:https://www.ashikaga-kankou.jp/spot/taiheikikan
足利市と「足利氏」との関わり
足利市は、足利氏ゆかりの地で八幡太郎義家の孫、義康が「足利氏(源姓)」を名乗り、この地域を治めたことから始まりです。市内には足利氏ゆかりの地や、日本最古の学校である足利学校など数多くの歴史・文化遺産が存在し「東の小京都」「第二の鎌倉」とも呼ばれています。
国宝 鑁阿寺(ばんなじ)
金剛山「鑁阿寺」は、真言宗大日派の本山であり「足利氏宅跡(鑁阿寺)」として国の史跡に指定され、日本100名城の一つに数えられます。鎌倉時代には、二代目義兼が居館をこの「鑁阿寺」に置き、義兼の子孫も足利に住み、多くの寺社を建てられました。
約4万㎡ある寺域の周囲には土塁と堀がめぐらされ、鎌倉時代の武家屋敷の面影を現在に伝えます。
その境内には、国宝指定の「本堂」や、国重文指定の「一切経堂」など貴重な建物が数多く現存し、1922年(大正11年)には国の史跡に指定されました。
【施設概要】
●施設名:国宝 鑁阿寺
●所在地:栃木県足利市家富町2220
●電車でのアクセス:JR足利駅北口より徒歩約10分、東武足利市駅北口より徒歩約15分
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約10分
●駐車場:周辺駐車場を利用
●URL:http://www.ashikaga-bannaji.org
史跡 足利学校
日本最古の学校「足利学校」の創建については、奈良時代の国学の遺制説・平安時代の小野篁説・鎌倉時代の足利義兼説など諸説あり現在も解明されていません。
本校の歴史が明らかになるのは、室町時代中期からで関東管領「上杉憲実(うえすぎのりざね)」が国宝に指定されている書籍を寄進し、鎌倉円覚寺より「快元(かいげん)」を招いて初代の庠主として招き入れ学校を再興しました。
16世紀の初頭には生徒が三千人を数え、「坂東の大学」としてフランシスコ・ザビエルによって海外にも紹介されました。
現在の足利学校は、江戸時代に落雷により焼失した姿を復元したもので、当時の様子を伝える「足利のシンボル」として一般公開されています。
【施設概要】
●施設名:史跡 足利学校
●所在地:栃木県足利市昌平町2338
●電車でのアクセス:JR足利駅北口より徒歩約10分、東武足利市駅北口より徒歩約15分
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約15分
●駐車場:周辺駐車場を利用
●URL:https://www.city.ashikaga.tochigi.jp/site/ashikagagakko/
織物の町、足利市の歴史を学ぶ
古くから「織物の町」として知られ、鎌倉末期に書かれた「徒然草」にも『さて年毎に給はる足利の染物』という文言が残されています。大正から昭和にかけて「日本一の銘仙の産地」として栄華を誇った歴史を学べるスポットをご紹介します。
足利まちなか遊学館
まち歩きを楽しむ観光客に休憩スペースを設け、足利の伝統産業である織物関係資料の展示や各種観光情報が無料で提供されています。
また、建物の2階では着付け体験が楽しめ、歴史を感じる小京都の街並みを絹織物「足利銘仙」を中心とした着物や甲冑姿で散策することがきます。
【施設概要】
●施設名:足利まちなか遊学館
●所在地:栃木県足利市通1-2673-1
●電車でのアクセス:JR足利駅北口より徒歩約6分、東武足利市駅北口より徒歩約12分
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約8分
●駐車場:周辺駐車場を利用
●URL:https://www.ashikaga-kankou.jp/spot/machinaka_yuugakukan
足利まち歩きミュージアム(足利商工会議所友愛会館)
「足利まち歩きミュージアム」は、旧足利銀行本店を改装した足利商工会議所「友愛会館」の地下部にあり、1階部には「貸しギャラリー」や「地場産品の紹介スペース」などがあります。大型の駐車場を完備しており、足利観光の拠点としても大変便利。
地下に降りると無料とは思えない立派な展示室があり、足利市の歴史・人物や自然・観光スポットをパネルや模型などで紹介しています。展示室の奥では、なんと「足利尊氏」の肉声を再現したというVTRを視聴することができます!
【施設概要】
●施設名:足利商工会議所 友愛会館
●所在地:栃木県足利市通3-2757
●電車でのアクセス:JR足利駅北口より徒歩約10分、東武足利市駅北口より徒歩約10分
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約15分
●駐車場:普通車 100台(無料)
●URL:https://ashikaga.info
足利織物伝承館
徒然草にも登場する「足利の織物」の歴史を、デザイン力とファッション性を兼備えた「銘仙着物」を通して現在に伝承するミュージアム。足利織物会館の2階にあります。
館内では、色鮮やかな「銘仙」や、明治から昭和にかけての「足利織物に関する資料」などが展示されています。
また、物販コーナーでは市内で作られた繊維製品や銘仙小物などを購入することもできます。
【施設概要】
●施設名:足利織物伝承館
●所在地:栃木県足利市通3-2589
●電車でのアクセス:JR足利駅北口より徒歩約15分、東武足利市駅北口より徒歩約15分
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約15分
●駐車場:有料駐車場あり
●URL:https://orimono-densyokan.com
関東平野を望む足利市の絶景をみる
足利市は日光連山の南端に位置しており、市街地からアクセスの良い低山からでも広大な関東平野を一望できるのが魅力。
散策中、ピクニック気分で気軽にまわれるお勧めのビュースポットなどを紹介して行きます!
足利織姫神社
1300年の歴史と伝統を誇る足利織物の守護神が奉られており、産業振興と縁結びの神様として市民に広く親しまれています。
京都にある「平等院鳳凰堂」をモデルとしたという美しい現在の社殿は、1937年(昭和12年)に完成しました。
2014年(平成26年)、産業振興と縁結びの神様として「恋人の聖地」 に認定され『二人で鐘を鳴らすと幸せになれる』というわれる「愛の鐘」が境内に設置され、足利市街を一望する絶景を楽しめます。
【施設概要】
●施設名:足利織姫神社
●所在地:栃木県足利市西宮町3889
●電車でのアクセス:JR足利駅北口より徒歩約20分、東武足利市駅北口より徒歩約20分
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約10分
●駐車場:普通車 36台(無料)
●URL:https://www.orihimejinjya.com
両崖山・天狗山(天狗山ハイキングコース)
足利織姫神社から「両崖山・天狗山」へ続くハイキングコースが整備されています。市街地からほど近い低山ながら驚きの絶景を満喫することができ、「両崖山山頂(標高251m)」付近は「足利城」の本丸跡となっています。
※こちらのハイキングコースでは、登山靴などの基本装備が必要になります。
岩場を登った先にある「天狗山山頂(標高259m)」付近からは、北関東自動車道の五十部トンネルや関東平野を一望することができます。とても、足利市街地から数キロの距離の風景とは思えませんね。
【施設概要】
●施設名:天狗山ハイキングコース(織姫観光駐車場)
●所在地:栃木県足利市巴町3890-17
●電車でのアクセス:JR足利駅北口より徒歩約20分、東武足利市駅北口より徒歩約20分
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約10分
●駐車場:普通車 36台(織姫観光駐車場を利用・無料)
●URL:https://www.city.ashikaga.tochigi.jp/page/tenguyama-hiking.html
足利富士浅間神社(男浅間神社)
「足利富士浅間山(標高108m)」の山頂に鎮座する神社(上の宮)。「初山祭(ペタンコまつり)」が行われることで知られます。創建は古く、1054年(天喜2年)両崖山に「足利城」を築いた際に、木花咲耶姫命(このはなさくひめのみこと)を祭神として上の宮・下の宮の2社を奉斎したと伝えられます。
「初山祭(ペタンコまつり)」とは
毎年山開きの6月1日に行なわれるお祭りで、足利市の重要文化財に指定されています。赤ちゃんの無病息災と無事成長を祈願し神前で赤ちゃんの額に神社の御朱印をペタンと押すことから「ペタンコまつり」と親しまれています。
社殿を起点に、ぐるっと足利の町を一望することができ、「標高108m」かつ「駅近」という手軽さながら圧巻の絶景に出会えます。
こちらは、女浅間神社(下の宮)からの眺望。東武足利駅から渡瀬川付近を見下ろすことができ、男浅間神社(上の宮)の絶景には及びませんが、折角なら合わせて訪れたいビュースポットです。
【施設概要】
●施設名:足利富士浅間神社
●所在地:栃木県足利市田中町230
●電車でのアクセス:JR足利駅南口より徒歩約20分、東武足利市駅南口より徒歩約7分
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約15分
●駐車場:近隣駐車場を利用
昭和レトロな「まちなか散策」が魅力
映画・ドラマのロケ地として人気の足利の町は、リアル「昭和レトロ」を感じられるスポットが今なお多く残されています。とくに旧市街地には、懐かしい雰囲気の喫茶店や銭湯などがあり、タイムスリップ気分で「まちなか散策」を楽しもう!
旧足利東映プラザ
1977年(昭和52年)から1999年(平成11年)まで実際に営業していた映画館跡で、2018年(平成30年)に公開された綾瀬はるか・坂口健太郎主演の映画「今夜、ロマンス劇場で」のロケ地として再び脚光を浴びました。
まるで、通り全体の時間が止まったかの様な風景が残されており、廃墟ではあるのでしょうが手付かずの「昭和レトロ」に触れられる貴重なスポットとなっています。
【施設概要】
●施設名:旧足利東映プラザ
●所在地:栃木県足利市井草町2408
●電車でのアクセス:JR足利駅北口より徒歩約11分、東武足利市駅北口より徒歩約12分
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約10分
●駐車場:近隣駐車場を利用
松村写真館(閉館後解体)
明治創業の写真館で、1924年(大正13年)に鑁阿寺大門通に移転しました。周囲の町並みと調和するレトロな佇まいで、映画やドラマのロケ地としても知られます。
築98年となる建物の老朽化が激しく、2022年(令和4年)7月24日に閉館し建物は解体されます。この写真は閉館前日の7月23日に撮影したものです。
【施設概要】
●施設名:松村写真館
●所在地:栃木県足利市大門通2371
●電車でのアクセス:JR足利駅北口より徒歩約10分、東武足利市駅北口より徒歩約13分
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約10分
●駐車場:近隣駐車場を利用
利性院 閻魔大王
1655~1657年(明暦元年〜3年)創建とされる寺院で、正式名は「瑠璃山醫王寺 利性院(るりざんいおうじ りしょういん)」。毎年1月16日・8月16日には大祭が行われ、「交通安全」や「厄難消除」「学業成就」などにご利益があり、近年では受験生が合格祈願に訪れています。
現在の「閻魔堂」は、2009年(平成21年)に再建されたもので「井草の閻魔様」と親しまれています。「御朱印」は、閻魔堂横にある印刷所のご主人にお願いできます。
【施設概要】
●施設名:利性院 閻魔大王
●所在地:栃木県足利市井草町2388
●電車でのアクセス:JR足利駅北口より徒歩約11分、東武足利市駅北口より徒歩約12分
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約10分
●駐車場:近隣駐車場を利用
旧足利模範撚糸工場(アンタレススポーツクラブ)
1903年(明治36年)に建てられた洋風工場建築で、「足利模範撚糸合資会社」という明治政府の輸出絹織物振興の国策会社とし創立しました。現在は、アンタレススポーツクラブとして使用されていますが「模範工場」としては全国で唯一現存する貴重な工場建物で、日本の近代産業遺産第2号に指定されています。
裏側にまわると建物の構造が良くわかります。大谷石を用いた木造トラス組の2連鋸屋根洋瓦葺きで、半円アーチ付きの縦長窓が連なる特徴的な設計です。この様な文化財が、日常の風景に溶け込んでいる姿がなんとも不思議な感じです。
【施設概要】
●施設名:旧足利模範撚糸工場(アンタレススポーツクラブ)
●所在地:栃木県足利市田中町906-1
●電車でのアクセス:JR足利駅南口より徒歩約10分、東武足利市駅南口より徒歩約5分
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約15分
●駐車場:近隣駐車場を利用
森高千里さん代表曲「渡良瀬川」所縁のスポット
「足利は第二のふるさと」と語る森高千里さんの代表曲「渡良瀬橋」の歌詞に登場するシーンが町中に点在しています。
1993年(平成5年)に発売された曲ですが、当時と変わらぬ懐かしい風景に触れることができます。
渡良瀬橋歌碑
2007年(平成19年)に渡良瀬橋の北側のたもとに「渡良瀬橋歌碑」が設置されました。左横のボタンを押すと「渡良瀬橋」の曲がフルコーラスで流れます。是非とも夕焼けの時間帯に訪れてみてください。
【施設概要】
●施設名:渡良瀬橋歌碑
●所在地:栃木県足利市通3丁目
●電車でのアクセス:JR足利駅南口より徒歩約10分、東武足利市駅北口より徒歩約10分
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約15分
●駐車場:近隣駐車場を利用
床屋と公衆電話
歌詞のとおり「尾沢理容店」の傍に、ポツンと公衆電話が設置されています。過去には取り壊し騒動がありましたが、ファンや地元からの反対により中止されました。とはいえ、スマホ時代ですから早めに訪れることをお勧めします。
【施設概要】
●施設名:床屋と公衆電話
●所在地:〒326-0814 栃木県足利市通7-3143
●電車でのアクセス:JR足利駅南口より徒歩約25分、東武足利市駅北口より徒歩約25分
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約15分
●駐車場:近隣駐車場を利用
八雲神社
足利市には、總社 八雲神社(緑町)をはじめ、「大門通り」「通五丁目」の計3つの八雲神社があります。
3社全てが聖地とされていますが、總社は若干中心部より離れており、今回は「通五丁目」の八雲神社に参拝しました。
【施設概要】
●施設名:八雲神社(通五丁目)
●所在地:栃木県足利市通5丁目2816
●電車でのアクセス:JR足利駅南口より徒歩約18分、東武足利市駅北口より徒歩約19分
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約13分
●駐車場:近隣駐車場を利用
合わせてよりたい近隣スポット
あしかがフラワーパーク
「あしかがフラワーパーク」園内では、四季折々の美しい花々を楽しめ、中でもGW見ごろを迎える大藤は圧巻です。
樹齢150年を超える「奇蹟の藤」が、映画アバターの魂の木のようだと、CNNが選ぶ「世界の夢の旅行先10カ所」に選出され、世界からも注目される観光スポットとなっています。
【施設概要】
●施設名:あしかがフラワーパーク
●所在地:栃木県足利市迫間町607
●電車でのアクセス:JR両毛線 あしかがフラワーパーク駅より徒歩約1分
●車でのアクセス:北関東自動車道 足利I.C.から約15分、東北自動車道 佐野藤岡I.C.から約18分
●駐車場:普通車 300台、大型車 40台(無料)
●URL:https://www.ashikaga.co.jp