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特撮文化の拠点「須賀川特撮アーカイブセンター」について
福島県須賀川市にある「須賀川特撮アーカイブセンター」は、「シン・エヴァンゲリオン」や「シン・ゴジラ」で知られる「庵野秀明氏」を理事長とするNPO法人「アニメ特撮アーカイブ機構」と須賀川市が共同で整備し、2020年(令和2年)に開館しました。施設内では、実際の撮影で使用されたミニチュアの展示や関連する資料など約1,000点を収蔵し、その一部を無料で見学することが出来ます。
ここ須賀川市は、特撮の神様とも称される「円谷英二監督」の出身地で、市は特撮を「日本が誇る文化」と位置づけ、アーカイブセンターを拠点に、関連した資料の収集・保存・修復・調査・研究を通して、『特撮文化』を後世に残す活動を行なっています。
こちらは、「須賀川特撮アーカイブセンター」周辺の風景。市街地より車で20分ほどの郊外に立地し、長閑な景色の中にこの様な施設があることが驚きです。
「館内の撮影における注意事項」
●館内の見学可能なエリアでは、スマートフォン・携帯電話に限り全て写真撮影(静止画)が可能です。(タブレット不可)
●撮影した画像のSNS等への利用も可能です。その際、他の見学者が写り込まない様にご配慮ください。
●館内で上映されている映像の写真撮影は禁止です。
「シルエット怪獣スカキング」とは
「賀川特撮アーカイブセンター」の認知度向上施策として、2020年(令和2年)9月に『オリジナルシルエット怪獣』の名前を一般公募し、応募総数1,956点の中から「スカキング」が最優秀賞に選ばれました。
「スカキングの特徴」
頭にある2本の角には、困っている人や虐められている人を見つける力あり、いつでもどこでもかけつけて助けてくれる須賀川を守る「キング」的な存在。須賀川名物の岩瀬キュウリが大好きで、いつか「きうり天王祭てんのうさい」に参加したいと思っている。
●必殺技:キュウリまるまる一本を口から発射して敵を倒します。
●弱点:眠くなるときが多く、そのときに攻撃されると大ダメージを負ってしまう。
「ホール|施設1F」の見どころ紹介!
「飛行船・航空機」のミニチュアモデル展示
1階ホールでは、大空に想いを募らせた「円谷英二氏」にちなんだ航空機や飛行船などのミニチュアが展示されています。
また、壁面に展示されている背景画は、背景美術の巨匠「島倉二千六氏」によって描かれた作品です。
「シン・ウルトラマン」の立像
2021年(令和3年)に公開された映画「シン・ウルトラマン」に登場するウルトラマンの立像が限定展示されています。シュッとした「シャープなシルエット」と「カラータイマー」が無いのが特徴。
特撮関係者による「手描きサイン」が描かれた壁面
特撮関係者やATACメンバー達による「描きサイン」が描かれた壁面も必見です。特撮への熱い想いが伝わってきます。
2階への階段部分にある展示
階段部分のガラス窓と壁面には、特撮現場をお洒落な「シルエット」と可愛らしい「イラスト」で表現しています。
「収蔵庫見学エリア|施設1F」の見どころ紹介!
「特撮ヒーロー」のミニュチュア展示
1968年(昭和43年)に放送されたSF特撮番組「マイティジャック」に登場する万能戦艦マイティジャック号のミニチュア。
その奥には、ご存じ「ウルトラシリーズ」などで使用されたミニチュア達も見えますね。
身近な特撮といえば「スーパー戦隊シリーズ」は外せません。1992年(平成4年)に放送された「恐竜戦隊ジュウレンジャー」のミニュチュアも展示されています。
展示物の端を見ると、「U.N.NERV」や「ATNTI-NERV」のコンテナなど気になる小道具が目に入ってきます。
ちなみに、調べた所このコンテナは市販されておりレア度は低めの品でした。。
「戦艦大和」のミニチュア展示
2005年(平成17年)に公開された映画「男たちの大和 YAMATO」で使用された戦艦大和のミニチュアと艦橋部の展示。
戦艦大和の側面をアップしてみると、細かな部分まで作り込まれた精巧さに引き込まれます。
「巨神兵」ロッドパペットの展示
2012年(平成24年)に開催された展覧会「館長 庵野秀明特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」で放映され、その後「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」でも同時上映された短編映画『巨神兵東京に現わる』にて使用された「巨神兵 ロッドパペット」の実物が展示されています。
「CGを一切使用しない」という制約の中で制作された映画本編とそのメイキング映像を視聴すると、一度見た展示物をまた違った目線で楽しむことが出来ます!
【展示物基本情報】
●名称:巨神兵 ロッドパペット
●全高:約180cm(首を伸ばすと約200cm)
●重量:約40kg(操作棒含む)
●材質:ラテックスゴム・アルミ・発泡ウレタン他
●登場作品:巨神兵東京に現わる(監督 樋口真嗣、2012年公開)
「戦艦三笠」のミニュチュア展示
1969年(昭和44年)に公開された映画「日本海大海戦」で使用された戦艦三笠のミニチュア。同作品は円谷英二氏が特技監督を務めた最後の長編作品で、当時の木工加工技術の高さを確認できるよう、木工部を剥き出しのまま展示しています。
こちらは「戦艦三笠」の正面からのカットで、まさに「戦艦大和」との夢の共演ですね。
また、須賀川市内にある「円谷英二ミュージアム」では、撮影の様子を再現したジオラマが展示されており、こちらもお勧めです。
【展示物基本情報】
●名称:戦艦三笠
●寸法:高さ 1,000㎜(マスト含 2,800㎜)、幅 1,100㎜、長さ 5,750㎜(1/21.428スケール)
●材質:木材・ブリキ・その他
●登場作品:日本海大海戦(監督 丸山誠治、脚本 八住利雄、特技監督 円谷英二、1969年公開)
「多目的スペース|施設2F」の見どころ紹介!
「ミニチュアセット」の展示
2階には、強遠近法を応用して作られたミニチュアセットが設置されています。高台には1/8~1/15スケールのミニチュアを配し、奥に行くにつれ1/25~1/60スケールのミニチュアを配置し遠近感のある風景を創り出します。
ミニチュアセットに近づいてみると、まるで映像の世界に入り込んだ様な感覚になります。背景の空は、雲の神様と称される「島倉二千六氏」が手掛けた物です。
木枠で組んだ「ビューポイント」が設置されており、覗き込むと映画のワンシーンの様な没入感に浸れます。
大河ドラマ「いだてん」のミニュチュア展示
2019年(令和元年)に放送されたNHKの大河ドラマ「いだてん ~東京オリムピック噺~」の撮影に使用された「帝国製麻ビルヂング」などのミニチュアが展示されています。
「4K映像」に耐えられる大型のミニチュアを使用し、野外セットで太陽光による撮影がここ須賀川市でも行われました。
「特撮機材」の展示
2階スペースの一画には、特撮用フィルムカメラや撮影用ライト類が展示されています。現在の様にデジタル編集技術のない時代には、撮影時にさまざまな工夫を凝らしてフィルムに焼き付けていました。
「須賀川特撮アーカイブセンター」の基本情報
開館時間
●9:00〜17:00
休館日
●火曜日(火曜日が祝日のときは翌平日)、12月29日〜1月3日まで
※資料整理など臨時休館あり。
入館料
●入館無料
「須賀川特撮アーカイブセンター」へのアクセス情報
電車を利用の場合
●東北本線 須賀川駅よりタクシー利用で約20分
車を利用の場合
●東北自動車道 須賀川I.C.より約15分
駐車場
●施設北側に無料駐車場あり
【施設概要】
●施設名:須賀川特撮アーカイブセンター
●所在地:福島県須賀川市柱田字中地前22番地
●URL:https://s-tokusatsu.jp