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信仰の山「加波山(かばさん)」について
茨城県桜川市と石岡市との境にある標高709mの低山で、筑波連山では「筑波山(877m)」に次いで標高が高い山です。
かつては神母山・神場山・神庭山などとも記され、天狗の山としても知られる山岳信仰の山です。
三角点のある頂上には、日本武尊が創建したといわれる「加波山神社本宮」の本殿(奥の院)が鎮座しています。
現在でも修験者の修行である禅定が行われており、1884年(明治17年)に発生した「加波山事件」はこの地で武装蜂起されました。
「加波山」の山DATA
・名称:加波山(かばさん)
・所在:茨城県桜川市、石岡市
・標高:709m
・山系:八溝山地
・気温:6月 23℃/16℃、7月 27℃/20℃、8月 29℃/21℃、9月 25℃/17℃
「加波山事件」とは
1884年(明治17年)に発生した自由党急進派が、明治政府の転覆を図り加波山に武装蜂起した事件です。
福島事件に関わったグループが中心となり、下館町・有為館の富松正安や栃木県内などの自由党員16名が挙兵し警察を襲撃。
その後、宇都宮の県庁を襲う途中に警官隊と交戦し多数が検挙され7名が死刑、7名が無期徒役、1名が戦死、公判前死去が1名となった。
関東一円に広がる「加波山信仰」
「加波山」は、古来より山岳信仰の対象で、霊場である山中には多くの社や祠があり、およそ737の神々が祀られています。
頂上には、「加波山権現」と総称される本宮、中宮、親宮の3神社が鎮座しており、農耕や漁業等の生業を始め、「火災盗難除け」「疫病除け」の神徳を有すると関東一円にかけて広く信仰されています。
その「加波山」に対する信仰は「筑波山」とも深く関わっており、関東地方一帯に掛けて「筑波山」以上の信仰圏を有しているというから驚きです。
結構ハードな「加波山」ハイキングコース
加波山神社の真壁拝殿を起点にスタートし、3合目付近で「新宮道」と「本宮道」への分岐があり加波山神社の本宮本殿のある頂上(標高709m)を目指します。
分岐するハイキングコースは、古来より「本宮」への参道と「親宮」への参道として利用され、ぐるっと一周して起点に戻ることができます。
所要時間は3時間程とされていますが、編集部が登った際には「3時間半〜4時間程度」要しており余裕を持った行動計画を立てましょう。
【施設概要】
●施設名:加波山神社真壁拝殿
●所在地:茨城県桜川市真壁町長岡891
加波根不動明王「寝不動尊」
2合目付近にあり登山中の「安全祈願」と最後の「トイレスポット」でもあるので、ここでしっかり準備を整えましょう。
「寝不動尊」の先にある3合目付近(分岐地点)には謎の宗教施設の廃墟が放置されています。
どうやら「箱根大天狗山神社」という新興宗教系の施設跡で、B級廃墟スポットとしても知られています。
【施設概要】
●施設名:加波根不動明王(寝不動尊)
●所在地:茨城県桜川市真壁町長岡
ちょっと荒れ気味な「登山道」へ入ります。
分岐を「本宮道」方面にしばらく進んで行くと本格的な登山道への入口が左手に見えてきます。
編集部はこの「標識」を見逃してしまい蜘蛛の巣だらけの小道を進んでえらい目にあいました…。
登山道には折れた枝などが散乱していたりと、ちょっと荒れ気味な印象でした。
比較的登山者の多い「新宮道」を使用した方が無難かもしれませんね。
頂上に近づくにつれて「神秘的な雰囲気」に…
標高が高くなるにつれ登山道には「奇石」や「巨石」が増え始め様子が変化してゆきます。
当日の天候も相まってなんとも神秘的な光景が広がりまさに「信仰の山」といった雰囲気です。
頂上に近づくにつれ古いお墓なども増えて行きます。
薄暗い時間帯にソロ登山する場合は、ちょっと怖い思いをするかもしれません。
頂上には「本殿(奥の院)」が鎮座
頂上付近は岩場も多く注意が必要です。三角点付近にあるのが「本殿(奥宮)」とされますが、肝心の三角点が見つからず(笑)
また、本殿の近くに国内でも珍しい「たばこ神社」なるものがあるのですが、天候悪化のため写真撮影が出来ませんでした。
頂上付近から新宮道への山道はご覧の通り、少々キツめの岩場が続きます。
「筑波山」ほど整備された登山道ではないので、基本的な登山装備が必須となります。
【施設概要】
●施設名:加波山神社本宮本殿(奥の院)
●所在地:茨城県石岡市大塚
新宮道側を下って「新宮拝殿」へ
頂上より「新宮道」側へ下って行くと開けた場所に出て「中宮拝殿」「新宮拝殿」が鎮座しています。
その横には社務所兼ユースホテルがあり、山中に響くテレビの音がなんとも不思議に聞こえました。
拝殿の向かい側にはプロペラが祀られており、日本軍関係のモノかと思いきや、1962年(昭和37年)に、訓練中墜落した航空自衛隊所属「T-6練習機」のモノだそうです。
【施設概要】
●施設名:加波山神社新宮拝殿
●所在地:茨城県桜川市真壁町長岡
下山中左手に真壁石の「砕石現場」が見えてきます。
石材として有名な「真壁石」は、この「加波山」より採掘されてます。
一見、環境への配慮を心配してしまいますが、国定指定公園に位置するため厳重な管理のもと砕石が行われています。
途中、「真壁石」を運搬するダンプカーが道幅ギリギリに通り抜けて行って、ちょっとビビりました。
細い舗装路を辿って始点の「加波山神社真壁拝殿」へ
登山後半の舗装路は、消耗した足腰にはちょっと堪えます。
景観もとくになく最後の頑張りどころですね!
途中、道沿いに「桜観音」がありその隣には立派な桜の木が立っています。
ここまで来れば、目指すゴールはもう目の前です。
【施設概要】
●施設名:桜観音
●所在地:茨城県桜川市真壁町長
「加波山」へのアクセス方法
車を利用の場合
●北関東自動車道 桜川・筑西I.C.より約20分
駐車場情報
●「加波山神社本宮」の無料駐車場を利用
電車を利用の場合
●JR水戸線 岩瀬駅よりタクシーで約15分
【施設概要】
●施設名:加波山神社本宮
●URL:http://kabasan-jinja.jp/
●所在地:茨城県桜川市真壁町長岡809