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下野国の歴史を学ぶ「しもつけ風土記の丘資料館」
栃木県下野市にある「しもつけ風土記の丘資料館」は、2015年(平成27年)4月に栃木県より下野市に移管され、下野市立の資料館としてオープンしました。
また、2021年(令和3年)5月には、展示室の全面改修・収蔵庫や講堂を備えた新館の増築といった大規模なリニューアルが行われ、子供から大人まで楽しめる資料館としてさらに充実!
展示室では、イラストや図などをふんだんに用いて、とても分かりやすく解説されています。入館料が無料ながら工夫を凝らした展示内容には驚かされます。
なかでも注目は、2021年(平成29年)国重要文化財に指定された「甲塚古墳出土遺物」の展示で、日本初の「機織形埴輪」は必見です。
「しもつけ風土記の丘資料館」の周辺には、国府跡をはじめ古墳や寺院跡など、下野国に関わる多くの史跡が残されています。ぜひ、見学後に周辺を散策して「東の飛鳥」と呼ばれる下野の歴史に触れてみましょう♪
館内の見どころ紹介!
メインの展示室では、古墳時代から奈良・平安時代に掛けての史跡について、政治と民衆の生活・中央集権と下野国の関わりなど、分かりやすく丁寧に紹介しています。
重要文化財エリア
しもつけ風土記の丘資料館の西側、「下野国分寺跡」に隣接する「甲塚古墳」より出土した埴輪など、貴重な出土品や資料を多数展示しています。
こちらが、全国でも例のない「機織形埴輪(はたおりがたはにわ)」の展示で、『女性が機を織る様子』が表現されています。
甲塚古墳出土埴輪の展示
甲塚古墳からは、「馬形埴輪」が4体出土しています。並んでいた順番に馬1~4と呼ばれ、写真は馬1となり「こうちゃん」という愛称がつけられています。また、4体ともに色が塗られ白馬を表現していたと考えられます。
こちらは、馬3の展示です。馬3・馬4になると、飾りが少なくなりシンプルな構造となっています。
古墳時代エリア
「古墳の築造方法」「古墳が巨大化した理由」「古墳が造られなくなった理由」などの疑問について解説しています。その他、下野市周辺にある古墳についても紹介されています。
飛鳥時代エリア
下毛野氏一族出身で、日本で最初の法律「大宝律令(たいほうりつりょう)」の編纂に関わった人物「下毛野朝臣古麻呂(しもつけのあそんこまろ)」や、当時の都「藤原京(ふじわらきょう)」について解説しています。
「下毛野朝臣古麻呂」とは
下野国出身で、下野薬師寺の建設に深く関わった人物と考えられています。最も古い記録は「日本書紀」にある689年(朱鳥4年)10月で、当時すでに「直広肆(じきこうし)」という貴族の位にありました。その後、「大宝律令」の選定に携ったことから、当時の大臣にあたる「兵部卿(ひょうぶきょう)」や「式部卿(しきぶきょう)」といった位を歴任しました。
奈良時代エリア
「下野国分寺」を1/200スケールで再現した模型が展示されています。また、当時の建築技術や暮らしについて解説され、平城京資料館の資料を参考に作られた、庶民・役人・貴族それぞれの食事内容を再現した展示も興味深い。
シアター室
展示室の向かいにある「シアター室」では、国指定史跡「下野国分寺跡」の成り立ちなど、下野市の歴史を紹介する約8分間の映像が放映されています。展示室の鑑賞前に、こちらの映像で基本概要を予習しておくことをお勧めします。
物販コーナー
受付カウンター脇にある「物販コーナー」では、周辺の史跡をあしらった「栞」や「手ぬぐい」などオリジナルグッズが販売されています。
「しもつけ風土記の丘資料館」の基本情報
開館時間
●9:00〜17:00(最終入館 16:30まで)
休館日
●月曜(祝日の場合は翌日)、第3火曜日(祝日の場合は開館)、年末年始
入館料
●入館無料
「しもつけ風土記の丘資料館」へのアクセス情報
電車を利用の場合
●JR宇都宮線 小金井駅よりタクシーで約10分
車を利用の場合
●東北自動車道 栃木I.C.より約30分
駐車場情報
●無料
※花まつりの時期(4月10日〜4月30日は有料)
【施設概要】
●施設名:しもつけ風土記の丘資料館
●所在地:栃木県下野市国分寺993
●URL:http://www.shimotsuke-bunkazai.com/fudoki.php