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幕府公認の駆け込み寺を学ぶ「縁切寺満徳寺資料館」
群馬県太田市の利根川沿いに位置する「縁切寺満徳寺資料館」は、新田義季の娘「浄念尼(じょうねんに)」が開いた尼寺で、鎌倉の「東慶寺」と並んで日本に2ヶ所しかない江戸幕府公認の縁切寺「満徳寺」に関する文献などを集めた資料館。ここでは、男尊女卑が当然であった江戸時代の離婚事情について学べます。
1992年(平成4年)10月「縁切寺満徳寺資科館」が開館。続いて、本堂と玄関・門・塀や庭園の復元工事が実施され1994年(平成6年)6月には、群馬県指定史跡「縁切寺満徳寺遺跡公園」としてオープンしました。
「徳川満徳寺(とくがわまんとくじ)」とは
江戸時代、鎌倉の「東慶寺」と並んで日本で2つしかない幕府公認の「縁切寺」のひとつ。
鎌倉時代に、徳川氏の祖とされる「新田義季」の娘「浄念尼(じょうねんに)」の開山による尼寺で、徳川家康の孫娘「千姫」が満徳寺に入寺(実際は待女が入寺)したことにより、縁切寺法の特権が幕府に容認されたと伝えられます。その後、明治維新を迎え1872年(明治5年)廃寺となりました。
「縁切寺満徳寺資料館」館内の見どころを紹介!
「縁切寺満徳寺資料館」館内では、1809年(文化6年)隣家から発生した火災により、本堂をはじめ境内全てを類焼し、辛うじて持ち出された「ご本尊」や「開山上人座像」、徳川家歴代将軍の「位牌」や「三くだり半(離縁状)」などが展示され、「満徳寺」の格式の高さを現在に伝えています。
第一・第二展示室
展示室では、「離縁成立までの手順」などが詳しく紹介されており、現代の制度より優れている部分も多く感心させられます。
「寺役場の様子」を復元した第二展示室では、縁切りに関わった人たちの役割について解説しています。
映像コーナーでは、「おきよさん縁切りす(アニメ)」や「満徳寺の歴史(ビデオ)」が放映されています。市原悦子さんがナレーションを務めており、展示室を見学する前に映像で予習しておくのがお勧め!
また、映像コーナーの後ろには、水洗トイレが2つ並んだ「縁切・縁結厠」が設置されています。
「縁切寺満徳寺遺跡」も忘れずに見学しよう!
資料館の敷地内に「縁切寺満徳寺遺跡」への通路が整備されています。太田市教育委員会が「遺跡公園」として管理しており、本堂・門・庭園などが復元され、当時の様子を見学する事ができます。
復元された「本堂・駆け込み門」
文献より可能な限り当時の技法で復元された「満徳寺旧本堂」。本堂の中心には、歴代将軍の「御牌殿」と、徳川家康を祀った「御神殿」があり、そのほか「大広間」や「上人部屋」などがある大きな建物。
本堂の東側にある「駆け込み門」。当時、何人の女性たちが救いを求めてこの門に駆け込んで来たのでしょうか。
四季の草花を楽しめる「庭園」
復元された庭園部分では、「春ぼたん」をはじめ「スイセン・梅・桜・アジサイ・オミナエシ・コスモス・ハギ・サザンカ・フクジュソウ」といった花々を楽しむ事ができます。
こちらは「隠居所跡」で、住職を退いた隠居や尼弟子が生活した場所とされています。
こうした公園内の復元されていない箇所には、「案内板」が立ち、柱の位置には「礎石」が配置され、建物の規模感を感じる事ができます。更なる復元計画が有るそうで、是非とも実現して欲しいですね。
「縁切寺満徳寺資料館」の基本情報
入館料
●一般 200円(中学生以下は無料)
お得な「共通入館券」
●5館共通券:1部 450円(通常 900円)
→ 当館+他4館(新田荘歴史資料館・高山彦九郎記念館・藪塚本町歴史民俗資料館・大隅俊平美術館)
●4館共通券:1部 300円(通常 600円)
→ 当館+他3館(新田荘歴史資料館・高山彦九郎記念館・藪塚本町歴史民俗資料館)
※有効期限は、発効日より1年間。
開館時間
●9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日
●月曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日〜1月3日
「縁切寺満徳寺資料館」へのアクセス情報
電車を利用の場合
●東武伊勢崎線 木崎駅よりタクシーで約10分
車を利用の場合
●北関東自動車道 伊勢崎I.C.より約20分
駐車場情報
●普通車 14台、大型車 4台
【施設概要】
●施設名:縁切寺満徳寺資料館
●所在地:太田市徳川町385-1
●URL:http://www8.wind.ne.jp/mantokuji/